3密の無い場所

本来の計画は11日〜12日に岐阜の蒲田川へ行く予定だったが、この状況下4名で1台の車で行くのはリスクが高いと判断し計画を断念、日帰りで渓山さんと4年前発眼卵放流を行った渓へ行くことにした。

当初は道の駅で渓山さんをピックアップして1台の車で行く予定だったが、万一に備え各々の車で現地へ向かうことにした。

人との接触を最小限にしたいが、昼食と入漁券を買うためコンビニへ寄る。朝早いので店には数人しかいないがマスクは必須だ。渓山さんの現在位置を確認するため電話をすると、もう待ち合わせ場所まで数キロとのこと。コンビニで朝飯をと思っていたが、車の中で食べながら待ち合わせ場所へ向かった。

国道から林道へ入る。3月に同場所へ行ったメンバーによると、昨年の台風19号で崩落が激しく、上流の砕石場までとのことだ。いつもより30分程長く歩くことになる。キャンプ場前で渓山さんと合流、顔色もいいし、相変わらず高めのテンションで一安心。車を10分ほど進めるとゲートが掛かかり、数台の車が止まっていた。登山か?釣りか?そそくさと支度を済ませ、8時10分にスタートした。

 

 

 

林道の崩落が激しい。復活にはどのくらいかかるのか?奥のヒュッテ、キャンプ場も土砂のために休業中だ。春を向かえ少し遅咲きの桜は満開。台風とコロナさえなければデイキャンプを楽しむ家族で賑わっていたことだろう。林道を埋め尽くした土砂を2〜3乗り越え、いつもの車止めゲートに到着。久しぶりの歩きで少々くたびれた。昨年から続いている足の痺れはまだ大丈夫だ。入渓場所まであと20分程。ふとコロナを思い出しマスクをする。

 

 

 

林道の遥か下の流れを見ると丁度よい水量だ。林道のカーブを作る尾根から踏み後を辿って下降する。徐々に流れの音が聞こえ始め河原に降り立つ。台風の影響であろう、小石で川は埋められ水深が浅い。ポイントもかなり絞られると思う。水温は9度と低めだが、日が差し込んでくれば魚の活性も上がると思ったが・・・

 入渓して暫くは長い瀬が続き、ポイントは石の裏、ブッツケのエグレと二人で釣り上がるには少ない。河原は広いが細流が続き、竿を出す場所が限られるので遡行が早い。30分程歩くと連続した落ち込みで良ポイントが続いている。落ち込み際の緩流に毛鉤入れ、流れにのせると、対岸の岩盤エグレから毛鉤を追う魚が見えた。もう一度同じ流れにトレースするが見破られたか?その後、渓山さんが狙う。後ろで見ていると魚が追ってきた。しかし咥えない。

 

 

 

いつも数尾の魚が確認出来るブッツケの淵も浅くなり魅力ない場所となっていた。しかしその上流にいままでにない大場所が出来ていた。まずは私のドライフライで際に出来る反転流に流し込む。渦の幾つかの筋に乗せるが出てこない。水深があるので底に張り付いているのか。続いて渓山さんがサイズ16番ほどの黒系の毛鉤を打ち込む。流れに乗せて毛鉤を深く沈めている。ハリスが一瞬不動になった時に合わせを入れる。「いい型だ!」渓山さんの竿がしなっている。手元に寄せたのは25cmほどのイワナだった。

 

 

 

 

 暫く行くと最初の堰堤が現れた。堰堤手前は青く輝くよい淵があるが魚の影は見えない。堰堤の落ち込みもすっかり土砂に埋まってしまった、今日は水量があり、ぎりぎり魚が泳げる深さになっている。しかしながら反応は無し!

以前は左岸を堰堤に沿って登り越せたが、上部の岩が崩れてしまい高巻きを強いられた。この川は幾つもの堰堤があるが巻き道、ハシゴを使えば簡単に乗り越せる。堰堤間にも魚がいることは以前確認済みだが、これだけ土砂で埋まってしまい魅力は薄れるばかりだ。堰堤を越すと広いフラットな河原になり、左岸に細い流れがあるだけ。流れの中にポイントは無く、直ぐに次の堰堤が現れる。堰堤の落ち込みだけがポイントだった。ここのポイントも浅い。左側の緩流に毛鉤を打ち込む。水の飛沫でラインが揺れるが、くッ!と糸が引っ張られる感覚を覚えた。合わせを入れると魚が乗っている。手元に寄ってきたのは15cmほどのイワナ。今年初のイワナだった。

 

 

 

この堰堤はハシゴを使って登るが、上に出たところあっという間に次の堰堤となってしまう。竿を畳んでガレバを攀じ登って越すことにした。堰堤の上はまるで火星のような光景。がれた石ばかりの大きな河原だ。ここは川を囲む小さな谷の落石が堆積して出来た地形とのことだ。川の流れはこの石の下にある。間もなく魚止めの滝。今日はこの滝を越えて支流に入る計画だ。滝上から渓相は一変し山岳渓流となる。

 

 

 

 

 

 魚止め周辺も昨年の台風で一変してしまった。淵が見事に埋まっている。ここは谷が一気に狭まるところで、おそらく台風時はトヨのようになってしまったのだろう。前で釣りをする渓山さんの頭上にその当時の水線が残っていた。魚止め滝までコマめにポイントを探ったが反応はない。一旦下流へ戻り右岸の細い流れの岩盤を攀じ登る。直登は登山道になっているので、10mほどのところからトラバースする。崩落場所のロープを頼るが、足元が以前より削られていて不明確だ。魚止め滝上のガレ場を通過して上流へ踏み込んだ。

 

 

 

 

 

 唯でさえ荒々しい渓相だが、一層の荒々しさを感じる。発眼卵放流をした淵は大きな一つの石で壊され、上流側右岸の壁も見事に崩れていた。しかしここから上流は渓相を保ち、見事なポイントの連続だった。大小の滝の連続でイワナの好場所が多く、ポイントも絞り易い。しかし反応は鈍い。所々に残雪があり、ウエーディングソックスに入ってくる水がとても冷たい。下流は新緑が芽吹いていたが、ここはまだ様子がない。大場所を攻める渓山さんが雄叫び!これは大きいぞ!竿先がブルンブルン!9寸型のいいイワナが上がった。

 

 

 

 

 

間もなくすると二股になる。今回は左の沢に入ってみる。この沢も高い壁に囲まれ、高低差がある流れとなる。典型的なイワナのポイントが一層多くなるが反応はない。渓山さんは先ほど良型を釣り上げたので先を譲ってくれる。渓山さんがここにいると言うので、14時まで釣りあがる約束をして登って行くが・・・・足の痺れも出てきたので・・・・残念。

 

 

 

 

 

帰りは林道を使って1時間半ほどで車に戻れた。

人との接触は相棒だけ、そして3密がない場所。今は自然の中が一番安全地帯ではないかな?